ラグビーウェールズ試合結果

三位決定戦 2019年11月1日
ウェールズ 17 - 40 ニュージーランド

(東京スタジアム)

【試合詳細】
前週の準決勝で惜しくも敗れた2チームによる三位決定戦。

「チームは傷つき痛みを感じている。しかしそれをいい方向に生かさなければ。2007年(フランスに準々決勝で敗戦)のおかげでW杯2連勝(2011、2015)が実現した。敗戦のつらさを、身をもって経験した結果だ」というのはニュージーランド(以下「NZ」」のスティーブ・ハンセンHC。

一方、1953年以来66年ぶりのNZ撃破を狙うウェールズ。勝利すれば、第1回大会に並ぶW杯過去最高の3位に辿り着く。ウェールズを再興させた名将、ウォーレン・ガットランドHCはこの大会での退任が決まっているため、ラストマッチとなる。在任中に欧州6か国対抗戦(シックス・ネーションズ)で優勝4回、今年は史上初の世界ランキング1位にもなった。

準決勝で南アフリカに競り負け、初のファイナル進出はならなかったが、ガットランドHCは母国でもあるニュージーランド戦を「大事な試合」と位置づけていた。

しかし、ここまで激闘を繰り広げてきたウェールズは準決勝から中4日での強行軍。スターWTBのジョージ・ノースをはじめ、けが人が続出しており、「傷だらけのレッドドラゴン」にとっては厳しい戦いとなることは覚悟しなければならない試合だった。

試合は序盤からオールブラックス(NZ)がアクセル全開のアタックで攻め込み、早々の5分にトライで先制。モウンガのコンバージョンも決まり、0-7とリードを許す。さらにNZのスーパースターであるFBボーデン・バレットにもトライを奪われ、14点のビハインドに。苦しい展開が続く。

しかし粘るウェールズは19分に敵陣深い位置のラインアウトからフェーズを重ね、オープンサイドへパスを展開。最後はFBハラム・アモスのトライ!SOリース・パッチェルのコンバージョンも見事に決まり、追い上げる。続く27分にも相手の反則で得たPGをパッチェルが決め、点差を詰める。

西日本総合展示場のパブリックビューイング(PV)会場は蜂の巣をつついたような大騒ぎ。北九州市民の最高の笑顔が弾ける。

しかししかし、やはり総合力でウェールズを上回るNZはウェールズ陣内でターンオーバーすると、一気に攻め込み、WTBのスミスがウェールズの勢いを止めるトライ。そして前半終了のラストプレーでもスミスが再度トライ・・・これが痛かった。

勢いに乗ったオールブラックスは後半開始早々にCTBがトライ(コンバージョンも成功)。10-35と完全に優位に立つ。

後半4分、これまでウェールズのFW第一列を支えてきたHOケン・オーウェンズが交代。試合会場、そしてPV会場からも惜しみない拍手が送られる。

そして後半17分、ウェールズ代表の英雄、伝説であるキャプテンLOアラン・ウィン・ジョーンズが交代。ピッチの外で盟友オーウェンズが迎える。試合会場・PV会場からの拍手が鳴りやまない。涙で代表最後の雄姿を見送るファンも。ピッチを出る際、伝説は少し微笑んでいたように見えた。

ガットランドHCが「我々のメンタリティは諦めないこと」と胸を張るように、レッドドラゴンは傷だらけの羽をはばたかせる。跳ね返されても、押し戻されても、ぶつかっていくレッドドラゴンたち。執拗なくらいフェーズを重ね、最後はWTBのジョシュ・アダムスが今大会7つ目となるトライを奪取(アダムスはトライ王を獲得)!途中出場のダン・ビガーのコンバージョンも決まり、意地を見せる。

このメンタリティ。これこそが北九州市が、我々が愛するウェールズ代表。この後も必死に攻め続け、トライを狙う。刻々と迫るウェールズのW杯の終わりを告げる時間。しかし、王者もその力を見せつけ、失点を許さない。そして一瞬の油断なのか、隙なのか、後半36分にモウンガにトライを奪われてしまい、スコアは17-40に。

でも、でもウェールズは全力を尽くす。最後の笛が鳴るまで。走り続け、そしてぶつかり続けた。そして、ノーサイドを迎えた・・・。

今大会、ウェールズ代表の成績は4位。堂々の4位。もちろん、優勝を目指したチームだけに、悔しさはある。しかし、ガットランドHCが述べたように、トモス・ウィリアムズやオーウェン・ワトキン、オーウェン・レーンなどの将来性のある若手選手にとって、大きな、大きな舞台となったことには間違いない。

新たなレッドドラゴンは、もう育っている。

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